犬と車で旅行するときのコツ|乗せ方・車酔い・休憩・暑さ対策
九州では、愛犬と一緒に車で旅行や帰省をする人も多いのではないでしょうか。車なら、電車や飛行機のようにケースの大きさや重さの決まりを気にせず、大きな犬とも一緒に移動できます。
ただ、車での移動には、乗せ方の決まりや車酔い、車内の暑さなど、気をつけたいことがいくつかあります。この記事では、JAF(日本自動車連盟)や環境省などが出している情報をもとに、愛犬と車で出かけるときのコツをまとめました。
掲載している内容は、2026年10月時点で各ページに書かれていたものです。変わることがあるので、出かける前に最新の情報も確かめてください。

車に乗せる前の準備
短いドライブで慣らす
車に慣れていない犬に、いきなり長い時間の移動はたいへんです。イギリスで動物病院を運営する団体PDSAは、獣医師と動物看護師が書いた情報の中で、5分以内の短いドライブから始めて、数分ずつのばしていく方法をすすめています。
近所を少し走って帰る、といった練習を、旅行の前から何回かしておくと安心です。
クレートに慣らす

JAFは、ふだんから家の中でクレート(犬を入れて運ぶケース)に自由に出入りさせて、「安心できる場所」として慣らしておくことをすすめています。旅行のときだけクレートを使うと、嫌がる犬もいるとされています。
クレートは、旅行先の宿で愛犬のハウスとしても使えます。
出発前のトイレと散歩
PDSAは、出発の前に散歩をさせることをすすめています。散歩のときに、トイレも済ませておきましょう。
食事のタイミング
JAFは、車酔いの対策として、乗る直前の食事や水を控えることをあげています。PDSAは、出発の2〜3時間以上前に食事を済ませることをすすめています。
水は、移動中の休憩のときにこまめに飲ませてあげましょう。
行き先の動物病院を調べておく
JAFは、知らない土地へ出かけるときは、熱中症などの万が一のときのために、近くの動物病院を前もって調べておくことが大切だとしています。初めての長いドライブで心配なときは、出かける前にかかりつけの獣医師に相談しておくと安心です。
安全な乗せ方
クレートに入れて後部座席で固定する

JAFは、急ブレーキや急ハンドルのときにも体をぶつけにくい、ハードタイプのクレートが安全だと説明しています。クレートは後部座席などの平らな場所に置き、走るときはシートベルトなどで固定します。
大きな犬で、クレートに入れるのがむずかしい場合は、後部座席や荷室に敷くドライブシートや、犬用のシートベルトを使う方法もあるとされています。
助手席に置くドライブボックス(犬用のシート)は、愛犬の様子が見えやすい一方で、落ち着きがない犬やひざに乗りたがる犬では運転のじゃまになることがある、とJAFは注意しています。
ひざに乗せない・窓から顔を出させない
道路交通法第55条第2項では、運転する人の視野やハンドルなどの操作をさまたげるような乗せ方で、車を運転してはいけないと決められています。
JAFは、次のような乗せ方は、この決まりに反するおそれがあると説明しています。
- 運転する人のひざに犬を乗せて運転する
- 犬が車内を自由に動き回れる状態で運転する
- 走っている車の窓から犬に顔を出させる
愛犬が窓の外を見たがっても、走っている間はクレートの中で過ごさせましょう。
ドアを開ける前にリードをつける
休憩などで車のドアを開けるときは、先にリードをつけておきましょう。ドアを開けたとたんに、愛犬が外へ飛び出してしまうのを防ぐためです。
JAFは、小型犬を抱っこして車まで運ぶと、リードや首輪、ハーネスを忘れやすいと注意しています。出発前に、リードが車に積んであるかを確かめておきましょう。
車酔いが心配なとき
車酔いのサイン
JAFによると、犬の車酔いも人と同じで、揺れに体がついていけないことで起こるとされています。一度ひどく吐いた経験があると、その後は車のにおいをかいだり、車に乗ったりしただけで気持ちが悪くなり、車に乗りたがらなくなる犬も少なくないそうです。
PDSAは、吐くこと以外に、次のようなようすを気持ちが悪いときのサインとしてあげています。
- よだれが出る
- 口を開けてハアハアと息をする
- つばを何度も飲みこむ
- 口のまわりをなめる
- 吐きそうなしぐさをする
また、車での移動をこわがっているサインとして、次のようなようすもあげています。
- 吠える、クンクン鳴く
- 体が震える
- 車の中でおしっこやうんちをしてしまう
- 車から離れようとする、乗るのを嫌がる
激しいハアハアした息(パンティング)は、JAFが熱中症のサインとしてもあげています。こうしたようすが見られたら、車内が暑くなっていないかもあわせて確かめてください(熱中症については「暑さ・寒さ対策と車内に残さない」で説明しています)。
車酔いをしにくくする工夫
JAFとPDSAは、次のような工夫をあげています。
- 短いドライブから少しずつ慣らす(PDSA)
- 乗る直前の食事や水を控える(JAF)。食事は出発の2〜3時間以上前に済ませる(PDSA)
- 丁寧な運転を心がける(JAF)
- 体が大きく揺さぶられないように、クレートに入れる(JAF)。愛犬が落ち着ける場所を作ってあげる(JAF)
- 後部座席や荷室にいる愛犬のところまで、エアコンの涼しい風が届くようにする(PDSA)
- 移動の途中でこまめに休憩をとる(PDSA)
ひどいときは獣医師に相談する
JAFは、車酔いがひどいときや、初めてのドライブで心配なときは、動物病院で犬用の酔い止めを処方してもらえるので相談してみるよう、すすめています。
PDSAは、車酔いは放っておくとだんだんひどくなりやすいため、気づいたら早めに獣医師に相談するのがよいとしています。また、人用の酔い止めや、処方なしで買える酔い止めは、効かないことが多く、副作用が出ることもあるとしています。
酔い止めは自己判断で飲ませず、心配なときはかかりつけの獣医師に相談してください。
休憩のとり方
1〜2時間おきに休憩する
運転している間は、愛犬に水を飲ませたり、トイレをさせたり、体調の変化に気づいたりすることがむずかしくなります。JAFは、1〜2時間おきに、SA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)で休憩をとるようすすめています。
休憩では、愛犬に水を飲ませ、トイレを済ませて、少し歩かせてあげましょう。ふんは拾って持ち帰ります。
九州のSAにはドッグランがある場所も

JAFは、休憩には、愛犬が体を動かせるドッグランや散歩できる場所を選ぶことをすすめています。九州の高速道路には、ドッグランがあるSAがあります。次の表は、NEXCO西日本のお知らせをもとにまとめた記事で紹介しているSAです。
| SA | 道路 | ドッグランがある方向 |
|---|---|---|
| 古賀SA | 九州自動車道 | 下り線 |
| 広川SA | 九州自動車道 | 上り線・下り線 |
| 金立SA | 長崎自動車道 | 上り線・下り線 |
| 別府湾SA | 東九州自動車道 | 下り線(上り線からも利用できるとされています) |
古賀SAのように、片方の線にしかドッグランがないSAもあります。工事などで一時閉鎖されることもあるので、くわしくは次の記事で確かめてください。
暑さ・寒さ対策と車内に残さない
車内はすぐに暑くなる
止めた車の中は、思っているよりも早く暑くなります。
- 環境省のチラシでは、気温35℃の炎天下に止めた車は、窓を閉めてエンジンを止めると、わずか15分で車内の暑さ指数が人の体にとって危険なレベルになるとされています。
- JAFのテストでは、外の気温が23.3〜24.4℃でも、車内の温度は最高46.5℃になったとされています。
- JAFは、9月や10月でも、車内の温度は50℃をこえる暑さになることが実験でわかっていると説明しています。
夏だけでなく、春や秋も油断しないようにしましょう。
車内に愛犬を残さない
JAFは、「直前までエアコンをつけていた」「短時間だから」といった理由に関わらず、子どもや高齢者、ペットを車内に残さないよう呼びかけています。車内での留守番は動物愛護法に違反する場合もあり、熱中症や死亡につながるとても危険なことだとしています。
食事や買い物のときも、愛犬を車内に残さないですむように、家族で交代して休憩する、ペットと入れるお店を選ぶ、などの工夫をしておきましょう。
エアコンと温度の目安
JAFによると、一般に犬にとってちょうどよい温度は18〜28℃、湿度は40〜60%とされています。車内では、25〜27℃くらいを目安にエアコンをかけるとよいとしています。
- 助手席はエアコンの風が直接当たりやすく、後部座席の足元や荷室は冷たい風が届きにくいとされています。クレートを置く場所に風が届いているか確かめましょう。
- 愛犬の近くに温度・湿度計を置いておくと、どのくらい冷えているかが分かりやすくなるとされています。
- 寒い時期も、暖房をつけたら温度・湿度計を見て、上の目安から外れていないか確かめてあげると安心です。
直射日光をさける
JAFは、車を止めるときは日陰を選んだり、窓にサンシェードをつけたりすると、車内の温度が上がるのをゆるやかにする効果があるとしています。ただし、対策をしていても、車に戻ってすぐの車内は暑い状態だとされています。ドアを開けて熱い空気を外に出し、エアコンで涼しくしてから、愛犬を乗せましょう。
熱中症のサインと、そのときの対応
JAFは、ハアハアした息(パンティング)が激しくなる、舌が口の横から大きく垂れ下がる、体が熱い、といったときは熱中症になりかけているとしています。そのときは、すぐに木陰などの涼しい場所に移し、水を飲ませたり体に流水をかけたりして冷やすよう、JAFはすすめています。動物病院へ向かう間は、首・わき・足の付け根など、太い血管が集まる場所を冷やすよう説明しています。
様子がおかしいときは、すぐに動物病院に連絡してください。
車での旅行にあると助かるもの
JAFの記事であげられている持ち物などをもとに、車での旅行にあると助かるものをまとめました。
- リード、首輪またはハーネス
- 水と、水を飲ませるお皿
- フードやおやつ
- いつも飲んでいる薬
- うんち袋、ペット用のウェットティッシュ、トイレシート
- 狂犬病予防接種と混合ワクチンの証明書
- クレート、またはドライブシート・犬用のシートベルト
- 温度・湿度計、冷却グッズ
- 足をふくタオル
JAFは、愛犬とのお出かけで忘れがちなものとして、1年以内の狂犬病予防接種証明書と混合ワクチン証明書をあげています。
持ち物は、次の記事でくわしくまとめています。
旅行グッズは、ペッツメイトの店舗でそろえられます。クレートやドライブシート、リード、トイレシートなど、愛犬の大きさや移動の方法に合うものを、スタッフと一緒に選べます。ペッツメイトは、福岡・佐賀・宮崎に店舗があります。
車がないときは
車を持っていない場合や、運転できる人がいない場合は、ペットタクシー(ペットを乗せて運ぶ専用のタクシー)を使う方法もあります。福岡のペットタクシーは、次の記事で紹介しています。
電車・新幹線・飛行機・フェリーなどに愛犬を連れて乗るときの決まりは、会社ごとに違います。九州で使える主な交通機関の決まりは、宿のまとめ記事でくわしく紹介しています。
車酔いがひどいなど、旅行に連れて行くのがむずかしいときは、ペットホテルに預ける方法もあります。
まとめ
愛犬と車で旅行するときは、次のことを押さえておきましょう。
- 出発前に、短いドライブやクレートで慣らしておく
- 乗る直前の食事は控え、出発前に散歩とトイレを済ませる
- クレートは後部座席に置いてシートベルトで固定し、ひざに乗せたり窓から顔を出させたりしない
- 1〜2時間おきに休憩をとる。九州にはドッグランがあるSAもある
- エアコンの風が愛犬に届くようにし、季節を問わず車内に残さない
車酔いや体調で心配なことがあるときは、かかりつけの獣医師に相談してください。
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参考にした情報
- JAF Mate Online「“愛犬と快適ドライブ”のために注意したいこと」:https://jafmate.jp/drive/sp_20230929.html
- JAF Mate Online「愛犬とのドライブがもっと快適に! 必ず持って行きたいグッズ&準備リスト」:https://jafmate.jp/drive/sp_20250715.html
- JAF Mate Online「5月でも車内温度は46℃以上に! 連休のドライブは熱中症にも注意!」:https://jafmate.jp/car/traffic_topics_20250421_1197383.html
- 環境省「ペットの熱中症」チラシ:https://www.env.go.jp/content/900517571.pdf
- 道路交通法(e-Gov法令検索)第55条第2項:https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105
- PDSA「Car sickness and motion sickness in dogs」(英語):https://pdsa.org.uk/pet-help-and-advice/pet-health-hub/conditions/car-sickness-and-motion-sickness-in-dogs