2023/4/24
その子に合ったしつけを。ミニチュアダックスフンドと信頼関係を築く方法
短い足で、ちょこちょこと部屋を駆けまわる。
名前を呼べば、まっすぐこちらへ戻ってくる。
そんなミニチュアダックスに「おすわり」と伝えると、すぐには座らず、ふっとこちらを見あげることがあります。
この、ちょっと考えるような一瞬こそ、ダックスならではの賢さのあらわれです。
むかしは土のなかにもぐり、自分の頭で考えながら獲物を追っていた犬。
「何度教えても伝わらない」と感じるのも、性格のせいではなく、その賢さの裏返しといわれています。
まずは、悩みごとに最初にためしたいことをまとめました。
| 悩み | まず試すこと |
|---|---|
| トイレのはみ出し | トレーを大きく |
| よく吠える | 理由を見分ける |
| 噛んでくる | 遊びを中断する |
| 言うことを聞かない | 叱らず褒める |
歴史や体つきのこと、性格に合わせた接し方、毎日のちょっとした工夫。
このあと、ひとつずつ、ゆっくりたどっていきます。
ミニチュアダックスと、もっとわかり合えたら。
そんな願いに、この記事がそっと寄りそえたら嬉しいです。
ミニチュアダックスのしつけが難しいと言われる理由|歴史と特徴

「しつけが難しい」と感じるとき、その理由の多くは、ミニチュアダックスの生い立ちに隠れています。
もともとは、どんな仕事をまかされてきた犬なのか。
そこがわかると、頑固に見えるふるまいも、太い鳴き声も、すべて「なるほど」とつながっていきます。
まずは名前の由来と歴史から、そして体つき、気質へと、順番にたどっていきます。
(H3)名前の由来と猟犬として歩んだ歴史
「おすわり」と伝えても、すぐには動かず、こちらの目をじっと見つめてくる。
そんな姿に、少し手こずった経験があるかもしれません。
これは反抗ではなく、自分の頭で考える賢さのあらわれといわれています。
ミニチュアダックスの名前は、ドイツ語の「ダックス(アナグマ)」と「フント(犬)」からきています。
その名のとおり、もとは地中の巣穴にもぐり、アナグマを追いつめる猟犬でした。
暗い土のなかでは、人の指示は届きません。
自分で状況を見極めて動く必要があったからこそ、この犬は自分で考える力を育ててきました。
「言うことを聞かない」の正体は、この長い歴史のなかで磨かれた自立心にあります。
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 中世 | アナグマ猟犬の原型 |
| 近世 | 交配で毛質が多様化 |
| 19世紀 | 小型化しミニチュア誕生 |
| 現代 | 人気の家庭犬に |
胴長短足と太い声が示す体の特徴
はじめてのお留守番の練習中、思いのほか太い声で鳴いて、その声量に驚いた。
そんな声を聞くと、少し心配になるかもしれません。
でも、その響く声は優秀な猟犬の証でもあります。
胴が長く足が短い体つきは、狭い巣穴にもぐるために磨かれた形です。
太くよく通る声は、地中から地上の家族へ、自分の居場所を知らせるためのものだったといわれています。
大きな耳は物音をよく拾い、長いマズルは匂いをたどる遊びで気持ちよく発散できます。
背骨に負担がかかりやすい体つきでもあるので、段差やジャンプには少し気を配りたいですね。
背骨をいたわる暮らしの工夫は、別の記事でくわしくお話ししています。
| 体の特徴 | しつけでの意味 |
|---|---|
| 胴長短足 | 段差への配慮 |
| 太い声 | 早めの吠え対策 |
| 大きな耳 | 物音への敏感さ |
| 長いマズル | 匂い遊びで発散 |
しつけを難しく見せる自立心と賢さ
何度も同じことを教えているのに、わざと無視されている気がして、切なくなる。
そんな夜があっても、それは育て方のせいではありません。
ミニチュアダックスは、とても賢く、自分で考える力を持った犬です。
「なぜ今それをするのか」を自分なりに納得してから動きたい気質があるといわれています。
だから力ずくで押さえつけると、かえって心を閉ざしてしまいます。
反対に、理由を示して安心を用意してあげると、その底知れない賢さが、しつけの大きな支えへと育っていきます。
被毛のタイプや性別によっても性格の傾向は変わるといわれていて、そのちがいは性格タイプごとにまとめています。
特性がわかれば、頑固に見えた気質も、心強い味方へと変わっていきます。
| 見え方 | 本当の姿 | 向き合い方 |
|---|---|---|
| 頑固 | 賢く慎重 | 理由を示す |
| 無視する | 納得待ち | 焦らない |
| 気が強い | 警戒本能 | 安心を作る |
| わがまま | 自分で考え中 | ルールを一貫 |
ミニチュアダックスのしつけ基礎|社会化とコマンド

歴史がわかってくると、次に気になるのは「では、何から始めればいいのか」ではないでしょうか。
むずかしいテクニックは必要ありません。
土台になるのは、子犬のうちからの社会化と、できたことをしっかり褒める陽性強化です。
この二つがそろうだけで、トイレも吠えも噛みも、ぐんと向き合いやすくなります。
ここからは、毎日の暮らしに無理なく取り入れられる基礎の話です。
子犬期に始めたい社会化トレーニング
家に来たばかりの子犬が、はじめての音や人に、目をまん丸にして固まってしまう。
そんな場面も、少しずつ「怖くないよ」を伝えていける大切な時期です。
生後3週から12週ごろは、いちばん心が柔らかい時期で、いろいろな刺激を素直に受け止めやすいといわれています。
ワクチンが済むまでは、抱っこやカートでのお散歩から始められます。
地面を歩かせなくても、車の音や人の気配、外のにおいを、安心できる経験として届けられます。
こわがらせないこと、そしてうまくいった瞬間にたっぷり褒めること。
その積み重ねが、何よりの近道ではないでしょうか。
この時期のおだやかな経験は、のちの吠えや噛みの予防にもつながっていくといわれています。
| 慣らしたい刺激 | 具体例 |
|---|---|
| 音 | 掃除機・来客の音 |
| 人 | 家族以外の来客 |
| 環境 | 車・外の気配 |
| ふれあい | 体を触られる練習 |
陽性強化で教える基礎のコマンド
名前を呼んで目が合った瞬間、しっぽをふって近づいてくる。
その小さな「できた」を積み重ねていくのが、しつけのいちばんの近道です。
ミニチュアダックスは覚えるのが得意な犬なので、できたら褒めてごほうびをあげる陽性強化がよく向いています。
まずはアイコンタクト、次におすわり、そしてまての順で、ひとつずつ進めていきます。
コツは、うまくいったその瞬間に褒めることと、ごほうびをセットにすることです。
もうひとつ大切なのが、家族みんなで言葉をそろえることです。
「すわれ」と「シット」が混ざると、賢いぶん、かえって迷ってしまいます。
コマンドは命令ではなく、一緒にできたねを分かち合う合図。
そんなふうに向き合えたら、毎日のしつけはもっと楽しくなるのではないでしょうか。
| コマンド | 教え方のコツ |
|---|---|
| アイコンタクト | 名前を呼び目が合え褒め |
| おすわり | できた瞬間に報酬 |
| まて | 秒数を少しずつ |
| ハウス | 中で良いこと |
4ヶ月頃の反抗期と歯の生え変わり
きのうまで素直だった子が、急に言うことを聞かなくなり、あちこちを噛みはじめる。
そんな変化に、「うちの子、どうしちゃったの」と不安になるかもしれません。
生後4か月から6か月ごろは、乳歯から永久歯への生えかわりで歯ぐきがむずむずする時期です。
そこに、自分の意思が芽生える時期も重なります。
わざと無視したり失敗したりするのは、まっすぐ育っているサインといわれています。
人の子の反抗期と同じで、けっして凶暴になったわけではありません。
ここで力ずくにならず、落ち着いて同じ対応を続けられると、その先の性格がぐっと穏やかに育っていきます。
噛みそのものへのくわしい向き合い方は、噛み癖のセクションでまとめています。
| 時期 | 起きる変化 | 向き合い方 |
|---|---|---|
| 〜3ヶ月 | 従順で甘えん坊 | 社会化を優先 |
| 4〜6ヶ月 | 反抗と甘噛み | 冷静に一貫 |
| 6か月〜1歳 | 落ち着きが出る | 関係づくり |
| 1歳以降 | 信頼が深まる | 一緒に楽しむ |
ミニチュアダックスのトイレのしつけ|はみ出し対策

トイレの悩みは、その多くが「環境」を整えるだけで、ぐっと軽くなっていくといわれています。
はみ出しも、しつけ不足でも根気の問題でもありません。
ダックスの胴長の体に、トレーや置き方を少し合わせてあげるだけ。
それだけで、毎朝の掃除がふっと楽になっていきます。
ここからは、その具体的な整え方を、順番にお伝えします。
はみ出しが起きる理由と環境の整え方
前足をきちんとトレーに乗せて、本人は「ちゃんとできた」という顔。
でも、後ろ足だけがちょこんとはみ出して、床が少し濡れている。
そんな朝が続くと、「わざとなのかな」と感じてしまうかもしれません。
これは、わざとでも嫌がらせでもありません。
ダックスは胴が長いぶん、レギュラーサイズのトレーでは体をくるりと回すゆとりが足りないだけといわれています。
排泄の前にくるくる回る習性があるので、少し軸がずれると後ろ足がはみ出してしまいます。
直すのは、しつけではなくトレーと置き方です。
環境をひとつ整えるだけで、次からの成功がぐっと近づいていきます。
| よくある誤解 | 本当の原因 |
|---|---|
| わざと外す | トレーが小さい |
| 嫌がらせ | 回るゆとり不足 |
| 覚えが悪い | 空間認識のズレ |
| しつけ不足 | 体型とのミスマッチ |
ワイドサイズのトレー選び
まず見直したいのが、トレーの大きさです。
ダックスの体の長さより一回り大きい、ワイドサイズ以上がおすすめです。
目安は、およそ44×59センチ以上。
これだけの広さがあれば、体をくるりと回しても四本の足がしっかり収まるゆとりが生まれます。
サイズを変えるだけで直ることも多い、いちばん試しやすい一手です。
| サイズ | 向き・効果 |
|---|---|
| レギュラー | はみ出しやすい |
| ワイド | 回れて収まる |
囲いとL字でつくる仕切り
サイズを変えても、まだ端でずれてしまうときは、壁の力を借ります。
三方が囲われたトレーや、L字型のトレーがおすすめです。
まわりに壁があると、「四本足で中に入る」という感覚が自然と身につきます。
おしっこの飛び散りも防げるので、まわりの掃除もぐっと楽になっていきます。
| 工夫 | 効果 |
|---|---|
| 囲い型 | 境界が明確に |
| L字型 | 壁で漏れ防止 |
寝床とトイレの置き分け
犬には、寝る場所をきれいに保ちたい本能があるといわれています。
その気持ちを活かして、寝床とトイレは少し離して置いてあげます。
サークルでトイレの空間を区切ると、「ここが休む場所」「ここがトイレ」の区別がつきやすくなります。
やわらかい布はトイレとまちがえやすいので、寝床まわりはすっきりと整えてあげると安心です。
| 場所 | 置き方のコツ |
|---|---|
| 寝床 | 落ち着く奥に |
| トイレ | 少し離して区切る |
成功に導く手順とタイミングのコツ
うまくいったとき、うれしそうにこちらを見あげる、あの得意げな顔。
その瞬間を増やしていくのが、トイレ成功の近道です。
コツは、タイミングを見きわめることです。
床のにおいを嗅いだり、くるくる回りはじめたら、それが「そろそろ」のサイン。
だっこで運ぶより、自分の足でトイレへ向かうよう、そっと促してあげます。
寝起きや食後は出やすいので、この時間をねらうと成功しやすくなります。
焦らずに、その日のリズムに合わせていくと、うまくいく回数が増えていきます。
四本の足が乗って上手にできたら、その場ですぐ、高い声で褒めてごほうびを。
この小さな成功の積み重ねが、本人の自信へと育っていきます。
| 手順 | ポイント |
|---|---|
| 1 サイン察知 | 回り始めたら |
| 2 誘導 | 抱えずに促す |
| 3 成功 | 直後に褒める |
| 4 反復 | 寝起き・食後に |
失敗を叱らない対応と食ふんの予防
トイレの失敗は、叱らないほうが、かえって早く落ち着いていきます。
大きな声で叱ると、「排泄そのものがいけないこと」と受け取ってしまうことがあるといわれています。
すると、見つからない場所に隠れてしたり、後始末のつもりで食ふんにつながることもあります。
だからこそ、失敗したときは、そっと無言で片づけるのがいちばんです。
消臭スプレーでにおいまで消しておくと、同じ場所でくり返しにくくなります。
食ふんは、注目や退屈、消化の具合など、さまざまな理由でおきる、めずらしくない行動といわれています。
責めるよりも、うまくできたときにしっかり褒めること。
その積み重ねが、穏やかなトイレ習慣へとつながっていきます。
| やりがちなNG | 正しい対応 |
|---|---|
| 大声で叱る | 無言で片づけ |
| 追いかける | 匂いを消す |
| 鼻を押しつける | 成功時に褒める |
| 隠れ排泄を責める | 環境を見直す |
ミニチュアダックスの吠え癖のしつけ|無駄吠え対策

ミニチュアダックスの吠えは、困った癖ではなく、家族に何かを知らせようとするサインといわれています。
だからこそ、まず大切なのは「なぜ吠えているのか」を見分けること。
理由がわかれば、対応の方向が定まり、やみくもに悩まずにすみます。
太くよく通る声も、正しく向き合えば、少しずつ落ち着かせていけます。
ここからは、理由べつの向き合い方を、順番にお伝えします。
吠える理由ごとに変わる対応
インターホンが鳴った瞬間、いちばんに飛んでいって吠える。
それは、家族を守ろうとするけなげな気持ちのあらわれでもあります。
ただ、吠えには理由がいくつかあって、理由ごとに対応が変わってきます。
ダックスにいちばん多いのは、来客や物音への警戒の吠えといわれています。
ほかにも、遊んでほしい要求の吠え、ひとりが不安な吠え、うれしくて興奮した吠えなどがあります。
ここで大事なのが、対応をまちがえないこと。
要求の吠えは静かに見守り、警戒の吠えには叱るのではなく安心を届けるのが近道です。
方向が逆になると、かえって強まってしまうこともあります。
おうちでのお留守番がきっかけの吠えは、別の記事でくわしくお話ししています。
| 吠える理由 | 対応の方向 |
|---|---|
| 警戒・来客 | 慣らして安心を |
| 要求 | 落ち着くまで待つ |
| 分離不安 | 留守番記事へ |
| 興奮 | 刺激を下げる |
警戒吠えへの対応|刺激の管理
来客のたびの吠えも、少しの工夫で、だんだん静かになっていきます。
ダックスは縄張りを守る気持ちが強いぶん、来客や物音に反応しやすいといわれています。
ポイントは、叱らないこと。
「うるさい」としかると、犬は「家族も一緒に警戒してくれている」と受け取り、かえって吠えが強まるといわれています。
効くのは、音そのものへの慣らしと、刺激をやわらげる環境づくりです。
チャイムの音を「こわくないもの」に変えていく方法と、見えない・聞こえないを増やす方法。
集合住宅でも取り入れやすい、この二つを、ひとつずつお伝えします。
| 対策 | ねらい |
|---|---|
| 音に慣らす | 刺激を減らす |
| 目隠し | 視界を遮る |
| 音を流す | 外音を隠す |
| 居場所を奥に | 気配を遠ざける |
音への脱感作と逆条件づけ
チャイムの音を、犬が気にならないくらい小さな音量から流してみます。
そして、音が鳴った瞬間に、とっておきのおやつをひとつ。
これをくり返すと、「あの音がしたら、いいことがある」と、気持ちが上書きされていきます。
あせらず、少しずつ音量を上げていくのが、うまくいくコツです。
| 手順 | ポイント |
|---|---|
| 1 小音量 | 怖がらない音で |
| 2 おやつ | 鳴ったら即与える |
| 3 音量up | 少しずつ上げる |
視界の目隠しと音のマスキング
見えない・聞こえないを増やすのも、心強い工夫のひとつです。
窓の下半分に目隠しシートを貼ると、通る人が見えにくくなります。
犬の居場所は、玄関からいちばん遠い奥へ。
テレビやラジオを小さく流しておくと、外の物音がやわらいで、吠えのスイッチが入りにくくなります。
| 場所 | 工夫 |
|---|---|
| 窓 | 下半分に目隠し |
| 定位置 | 玄関から遠く |
| 室内 | 環境音を流す |
要求吠えへの対応|応えるタイミング
「遊んで」「出して」と吠える声に、つい応えてしまう。
その優しさは、とても自然な気持ちです。
ただ、一度でも吠えて願いがかなうと、「吠えれば通る」と覚えてしまうといわれています。
だからこそ、要求の吠えには、そっと見守るのがいちばんです。
目を合わせず、声もかけず、静かになるのを待ちます。
はじめは前より強く吠えることもありますが、それは変わりはじめのサイン。
そして、ぴたっと静かになった瞬間に、はじめて笑顔で応えてあげます。
無視は、冷たさではありません。
「静かにしていれば伝わる」という、わかりやすいルールを届けているだけ。
落ち着けたことを、たくさん褒めてあげたいところです。
| 場面 | 対応 |
|---|---|
| 吠え始め | 反応しない |
| 吠え続く | 目を合わせない |
| 強く吠える | それでも待つ |
| 静かになった | すぐ褒める |
ミニチュアダックスの噛み癖のしつけ|甘噛み対策

遊んでいるうちに、つい手をかじられて「あ、痛い」と声が出る。
そんな毎日にも、ちゃんと出口があります。
噛むことは、ダックスにとってごく自然な欲求です。
だから「やめさせる」より、「噛んでいいものへ向ける」と考えると、ぐんと向き合いやすくなります。
力ではなく、気持ちの向け先を変える。
まずは甘噛みと本気噛みのちがいから、順番にお伝えします。
甘噛みと本気噛みの違い
小さな歯で手をかじってくる姿は、じゃれているようで、ほほえましいもの。
でも、そのままにしておいていいのか、少し気になるかもしれません。
甘噛みは、遊びたい気持ちや、歯の生えかわりのむず痒さからくる、ごく自然なものといわれています。
けっして悪いことではありません。
ただ、放っておくと「手は噛んで遊ぶもの」と覚えてしまい、大きくなってからの困りごとにつながることもあります。
一方で、こわさや身を守りたい気持ちからくるのが、本気噛み。
うなりながら噛むときは、食べ物などを守ろうとしているサインのこともあります。
まずは、この見分けが向き合いの第一歩です。
| 噛みの種類 | 背景にあるもの |
|---|---|
| 甘噛み | 遊びと歯のむず痒さ |
| 興奮噛み | 遊びの高ぶり |
| 本気噛み | 恐怖や防衛 |
| 唸り+噛み | 食べ物などの防衛 |
甘噛みへの対応と噛んでいい代替品
噛みたい気持ちは、無理に消さなくてかまいません。
向ける先を用意してあげれば、手やスリッパから、ちゃんと卒業していけます。
もし遊びの途中で歯が肌に当たったら、短く「痛い」と伝えて、すっと遊びをやめます。
「噛んだら楽しい時間が終わる」と、少しずつ学んでいきます。
この短い中断が、何よりわかりやすい合図です。
そのうえで大切なのが、思いきり噛んでいい専用のおもちゃを用意することです。
知育トイやロープなど、狩りの本能を満たせるものを選んであげます。
噛みたい気持ちを、安心して出せる場所をつくってあげたいところです。
| おもちゃ | 目的 |
|---|---|
| 知育トイ | 集中で疲れさせる |
| 詰めるトイ | 留守番の気晴らし |
| ロープ | 引っぱりで発散 |
| 硬さのあるトイ | じっくり噛める |
中断して離れるタイムアウト
歯が肌に当たった瞬間が、教えるチャンスです。
低く短く「痛い」と伝えて、すぐに遊びをやめます。
そして、数十秒だけ、そっとその場を離れます。
感情的に叱る必要はありません。
静かに立ち去るだけで、「噛むといちばん楽しい時間が終わる」と、自然に伝わっていきます。
| 手順 | ポイント |
|---|---|
| 1 歯が当たる | 低く短く痛い |
| 2 即中断 | 遊びをやめる |
| 3 離れる | 数十秒無視 |
噛みたい欲求を満たすおもちゃ
おもちゃは、いくつかを日がわりで用意すると、飽きずに楽しめます。
かたすぎるものは歯を傷めることがあるので、やわらかさは選んであげたいところです。
ごはんを手から一粒ずつあげるのも、手は嬉しいものと覚えてもらえる、いい方法です。
お気に入りが見つかると、噛みたい気持ちがそちらへ向かっていきます。
| 工夫 | ねらい |
|---|---|
| 複数を交替 | 飽きさせない |
| 手から給餌 | 手を好きに |
やってはいけない対応と体罰の弊害
うまくいかなくて、つい強い態度に出てしまう。
そんな経験があっても、どうか自分を責めないでください。
古いしつけの情報が、今もあちこちに残っているだけです。
マズルを強くつかむ、仰向けに押さえつける、叩く。
こうした方法は、犬に「攻撃された」と感じさせ、かえって本気噛みやこわがりにつながるといわれています。
食べ物を守ろうとするときも、無理に取り上げないほうが安心です。
爪切りやブラッシングを嫌がるときは、体にふれる練習のコツをまとめています。
大切なのは、力ではなく日々の信頼の積み重ねです。
焦らずに向き合えば、噛みは少しずつやわらいでいきます。
| NG対応 | 起きること |
|---|---|
| マズルを掴む | 手を怖がる |
| 仰向け拘束 | 防衛で噛む |
| 叩く | 信頼が壊れる |
| 食器を取り上げる | 守ろうと唸る |
しつけを通して築くミニチュアダックスとの信頼関係

しつけに、これで完璧という正解や、ここで終わりというゴールはありません。
毎日はいつも、小さな試行錯誤のくり返しです。
トイレのはみ出しも、太い声の吠えも、じゃれ噛みも。
ここまで見てきた困りごとは、どれもアナグマを追った猟犬の本能の裏返しでした。
その意味がわかると、頑固に見えた気質も、賢さと愛情深さという、いちばんの魅力に変わっていきます。
特性を受け止めてあげられたとき、ダックスの底知れない賢さと深い愛情は、最高のパートナーへと育っていきます。
大げさなことは、何もいりません。
「おすわりができた」「今日は上手にトイレができた」。
小さな「できたね」を一緒に喜ぶ、その何気ない毎日が、少しずつ絆になっていきます。
叱ってばかりだった毎日が、いつのまにか、笑い合える時間に変わっている。
穏やかな夕暮れに、足もとで気持ちよさそうに眠る姿を見られる日が、この先に待っています。
もし途中で「これでいいのかな」と迷ったら、どうか一人で抱えこまないでください。
「こんなことができるようになりました」という、小さなご報告も大歓迎です。
私たちは動物が大好きな仲間として、いつでもお話をうかがっています。
ここまで向き合ってきた歩みは、ちゃんとダックスに届いています。
ご家族とダックスのこれからに、私たちもそっと寄りそっていきます。