フレンチブルドッグの平均寿命と病気!長生きのポイント

結論だけ先に知りたい方へ

フレンチブルドッグの平均寿命は11〜12歳ほどとされますが、19歳を超える長寿の記録もあり、日々のケア次第で健やかな時間は十分にのばしていけます。

かかりやすい病気の多くは、短い鼻や皺、突き出た目といった体の特徴からくるもので、体重や室温の管理、皺や耳のこまめなお手入れ、気になるサインの早めの受診で、リスクは大きく減らせます。

本文では、体のつくりと年齢別のケア、かかりやすい病気の仕組みとおうちでできる予防、毎日の見守り習慣までご紹介します。

玄関を開けた瞬間、短い足でぴょこぴょこと駆け寄り、うれしそうに体をすり寄せてくるフレンチブルドッグ。
その笑顔に迎えられる時間は、何よりの宝物です。

そんな毎日のなかで、「フレンチブルドッグは短命」という言葉にふと胸がざわついたご家族もいるかもしれません。
大切な家族だからこそ、長くそばにいてほしいと願う気持ちは、ごく自然なことです。

けれど、心配しすぎることはありません。
フレンチブルドッグの体の特徴を少し知っておくだけで、いつものスキンシップが毎日の健康を守るケアへと変わっていきます。

体のつくりや年齢ごとの変化、気をつけたいサインを一つひとつ知ることが、不安をやさしい安心へと変えていく、確かな一歩です。

フレンチブルドッグの基礎知識|まず知りたい体のこと

フレンチブルドッグの体のことや気をつけたいポイントを見ていく前に、まずはこの犬種のルーツや性格、体のつくりからご紹介しますね。
知っておくだけで、毎日のケアがぐっと楽しくなりますよ。

名前とルーツをたどってみよう

くるんと立ったコウモリみたいな耳に、鼻ぺちゃの愛くるしい顔。
フレンチブルドッグの姿には、海を越えてきた長い物語が隠れています。

始まりは19世紀のイギリス。
レース編みの職人たちにかわいがられていた小さなブルドッグが、仕事を求めてフランスへ渡った職人たちと一緒に海を渡りました。
フランスで現地の犬たちと交わりながら、少しずつ今のかたちへ変わっていったといわれています。
名前の「Bouledogue Français」は、球体を意味する「boule」とマスティフ系の犬を指す「dogue」を合わせた言葉です。

項目内容
原産国フランス
祖先イギリスの小型ブルドッグ、現地のテリアやパグなど
グループ第9グループ(コンパニオン・トイドッグ)
耳の形コウモリ耳(立ち耳)。初期はローズ耳も
確立の時期1898年ごろ

トレードマークのコウモリ耳は、アメリカの愛好家たちが「この耳こそフレブルの魅力だ」と声を上げたことで、世界共通のスタンダードに定着しました。

▶︎参考【JKC(ジャパンケネルクラブ)】フレンチブルドッグ

甘えん坊で人が大好きな性格

ソファに座っていると、いつの間にかぴたっと隣に来ている。
名前を呼ぶと、短い足をばたつかせながら全身で「うれしい!」を伝えてくれる。
フレンチブルドッグは、とにかく人が大好きで甘え上手な愛されキャラです。

ご家族のそばにいるのがいちばんの幸せなので、長いお留守番やひとりの時間はちょっぴり苦手な一面もあります。
毎日のスキンシップをたっぷりとってあげると、気持ちが満たされて穏やかに過ごせる時間がぐんと増えていきます。

性格の傾向暮らしでの工夫
人が好きで愛情深い毎日のスキンシップを習慣に
長い留守番が少し苦手知育トイやノーズワークを用意
活発で興奮しやすい落ち着く練習で呼吸への負担を軽く

お留守番のときは、知育トイやノーズワークを用意しておくと退屈がやわらぎます。
ちょっとした工夫で、おうちの中がもっと居心地のよい場所に変わりますよ。

見た目と体格の特徴

まんまるの大きな目に、ぺちゃっとつぶれた鼻、むっちりと筋肉質なボディ。
フレンチブルドッグは小柄でも、抱っこするとずっしり頼もしい重さがあります。

体高は27〜35cmほどと小型犬サイズですが、骨太で筋肉がしっかりついているので、体重はオスで9〜14kg、メスで8〜13kgが目安です。
ポテポテと歩く姿も、たまらない魅力のひとつです。

項目目安・特徴
体高オス27〜35cm/メス24〜32cm
体重オス9〜14kg/メス8〜13kg
被毛・毛色なめらかな短毛。フォーン、ブリンドル、パイドなど
体型の特徴短いマズル、広い胸、筋肉質でずんぐり

短い鼻やまんまるの目、顔や体に刻まれた深い皺は、フレブルならではのチャームポイントです。
それぞれの特徴に合ったケアのコツを知っておくと、毎日がもっと安心で楽しくなります。

フレンチブルドッグの寿命と年齢別の健康管理

数字だけを見て不安になる必要はありません。
年齢ごとの体の変化を知って、早めに気づいてあげることが何よりの安心につながりますよ。

平均寿命と人間の年齢に置きかえると

「フレンチブルドッグは短命」と聞くと、不安になる方も多いと思います。
アニコムの調査では平均寿命は約11.2歳で、全犬種の平均より3年ほど短いとされています。

でも、この数字がすべてではありません。
なかには19歳を超えた長寿のフレブルも報告されていて、日々のケアしだいで元気に過ごせる時間はしっかりのばしていけます。

ちょっと意外なのが、年齢の進み方です。
フレンチブルドッグは1歳で人間の15〜17歳くらいまで一気に成長し、5歳になるころには人間でいう30代後半〜40代。
10歳は人間の60歳前後にあたり、関節のこわばりや睡眠時間の増加など目に見える変化が出やすい節目です。

フレブルの年齢人間年齢の目安この時期の体の特徴
1歳約15〜17歳骨格が完成し、いちばん元気いっぱいの時期
5歳約36〜43歳見た目は若くても、代謝がゆるやかに落ち始める
7歳約44〜48歳運動量や消化力に変化が出やすい転換期
10歳約56〜63歳関節のこわばり、白髪の増加などが見られやすい
12歳〜約64〜73歳以上「フェアリー期」。穏やかな寄り添いが大切に

「まだ若い」と思っていても、体の中では少しずつ変化が始まっています。
年齢の目安を知っておくと、ケアの切りかえどきに気づいてあげやすくなりますよ。

寿命を左右する飼い主が守れること

フレンチブルドッグの健康や寿命に関わるポイントは、毎日の暮らしのなかで守ってあげられることばかりです。

なかでも大切なのが体重のコントロール
鼻の短いフレブルは、太ると喉まわりに脂肪がつきやすく、それだけで呼吸がぐっと苦しくなってしまいます。
食事の量を計って、おやつもほどほどに。
肋骨がうっすら触れるかどうかを目安にすると、体型の変化にも気づきやすいです。

もうひとつ欠かせないのがお部屋の温度と湿度の管理
フレブルは体の熱をうまく逃がすのが苦手なので、夏場はエアコンで室温25〜28℃・湿度60%以下をキープしてあげましょう。

守りたいポイント理由おうちでできること
体重・体脂肪太ると喉まわりの脂肪で呼吸が苦しくなる食事を計量、おやつは控えめに
室温・湿度体の熱を逃がすのが苦手で熱中症リスクが高いエアコンで25〜28℃・湿度60%以下を維持
呼吸への負担首を圧迫すると気道がさらに狭くなる首輪よりハーネスを選ぶ
腰・背骨への負担椎間板が傷みやすく、段差や滑りがリスクに滑り止めマット、ステップの設置

どれも特別な道具や技術がいるわけではなく、ちょっとした意識の積み重ねです。
「これなら続けられそう」と思えることから、始めてみてくださいね。

子犬期・成犬期・シニア期の変化とお世話

フレンチブルドッグの体は、年齢によって必要なケアが少しずつ変わっていきます。

子犬のころは骨や内臓がまだやわらかく、温度の変化にとても敏感です。
お散歩は「月齢×5分」くらいが目安で、はしゃぎすぎに気をつけてあげるのがポイントです。

成犬期は体力がピークを迎えるいっぽうで、食欲が旺盛になり体重が増えやすい時期でもあります。
ノーズワークや短めのお散歩で「量より質」を意識した遊び方に切りかえると、呼吸にも体にもやさしいです。

7歳を過ぎたころからはシニア期に入ります。
10歳を超えたフレブルは「フェアリー期(妖精のように愛おしい時期)」と呼ばれることも。
消化にやさしいごはんや段差をなくす工夫で、穏やかな毎日を守ってあげましょう。

時期体の変化お世話のポイント気をつけたいサイン
子犬期(〜1歳)骨格や内臓が未熟運動は月齢×5分が目安。室温管理を徹底興奮しすぎ、すぐ息が上がる
成犬期(1〜6歳)体力ピーク、代謝はゆるやかに低下ハーネスで「量より質」の運動。体重管理体重の急増、いびきの悪化
シニア期(7歳〜)筋力・視覚・聴覚が低下消化のよい食事、段差をなくす散歩中の立ち止まり、性格の急な変化

年齢に合わせてケアを少しずつ変えてあげるだけで、どのステージでも安心して過ごせる時間が広がります。

フレンチブルドッグがかかりやすい病気とおうちケア

ここからは、フレンチブルドッグがかかりやすい病気を見ていきます。
とはいえ、こわがらせたいわけではありません。
仕組みさえ知っておけば、おうちで気づける・防げることがたくさんあります。
病気は「生まれ持った体の特徴からくるもの」と「毎日の暮らしや体質からくるもの」に分けてご紹介しますね。

いびきが気になる「短頭種気道症候群(BOAS)」

まずは、フレブルの「いびき」にまつわるお話から。
かわいい寝息だと思っていた音が、体からのサインだったということもあります。
一緒に見ていきましょう。

どんな病気?短いマズルと呼吸の関係

フレンチブルドッグの短いマズル(鼻先)は大きなチャームポイントですが、鼻の穴やのどの奥の組織はそのままの大きさなので、空気の通り道がどうしても狭くなりがちです。
生まれつき鼻の穴が狭かったり、のどの奥の膜が長めだったりして、呼吸に力がいる状態を「短頭種気道症候群(BOAS)」と呼びます。

こんなサインに気づいたら

気づくきっかけになりやすいのが、日ごろの呼吸の音です。
ぐっすり眠っているときの大きないびきや、起きているのに鼻から「ズーズー」「ブーブー」と鳴る音。
少し走ったり興奮したりしたあとの激しい息づかいも、体からのサインのひとつです。
「フレブルだからこんなもの」と見過ごさず、いつもの呼吸を知っておいてあげましょう。

動物病院での治療

BOASは体の構造からくるものなので、お薬だけで根本から治すのは難しい一面があります。
呼吸をらくにしてあげるには、鼻の穴を広げたり、のどの奥の余った膜を整えたりする手術という選択肢があります。
若いうちのほうが体への負担が少なく済むことが多いので、気になるサインがあれば、麻酔に慣れた病院で早めに相談しておくと安心です。

おうちでできる予防とケア

おうちでできることも、たくさんあります。
首を圧迫すると気道がさらに狭くなるので、お散歩は首輪よりハーネスを選んであげましょう。
太ると喉まわりに脂肪がついて呼吸が苦しくなるため、体重管理も大切なケアのひとつです。
お部屋を涼しく保ち、興奮させすぎないだけでも、呼吸の負担はぐっと軽くなります。

呼吸の状態おうちでの見え方受診の目安
軽め寝ているときにいびき、少し興奮すると鼻が鳴るワクチンなどの機会に一度相談
中くらい短い散歩で息切れ、口を開けてハァハァが多い早めに受診し、手術も含めて相談
重め首を伸ばして呼吸、舌が青紫、寝ている間に呼吸が止まるすぐに動物病院へ

腰や背中を守りたい「椎間板ヘルニア」

次は、腰や背中を守るお話です。
フレブルは背骨がちょっぴりデリケートなので、日ごろのひと工夫で守ってあげられます。

どんな病気?背骨のつくりとのかかわり

フレンチブルドッグは、背骨のクッション(椎間板)が若いうちから傷みやすい体質を持っています。
また、生まれつき背骨の形が少しゆがんだ「半椎体」を持つ子もいます。
とはいえ、半椎体があっても症状が出ずに元気に過ごす子も多いので、過度に心配しなくて大丈夫です。

こんなサインに気づいたら

気づきのサインは、歩き方や仕草にあらわれます。
歩くときにふらついたり、足の甲を地面に擦るような歩き方をしたり、これまで登れていた段差を嫌がったり。
背中や腰をさわると痛がる、抱き上げた瞬間に「キャン」と鳴く、といったときは、早めに気づいてあげたいサインです。

動物病院での治療

軽い痛みが中心のときは、ケージの中で安静にして、痛み止めで様子を見る内科的なケアが選ばれます。
後ろ足の麻痺が強い場合は、手術とリハビリで回復を目指すこともあります。
早めに適切な治療を受ければ、また元気に歩けるようになるケースもたくさんあるので、気になるときはためらわず相談してあげましょう。

おうちでできる予防とケア

毎日の暮らしのなかで、背骨への負担を減らしてあげるのがいちばんの予防です。
フローリングは滑って腰をひねりやすいので、カーペットや滑り止めマットを敷いてあげましょう。
ソファやベッドからの飛び降りも負担になるため、ステップを置くと安心。
抱っこするときは、胸とお尻を同時に支えて背骨を地面と平行に保つのがコツです。

場所・シーン背骨への負担おうちでの対策
フローリング滑って腰をひねりやすいカーペットや滑り止めマット
ソファ・ベッド飛び降りの着地衝撃ステップの設置、家具を低く
抱っこ縦抱きは腰を反らせる胸とお尻を支え、地面と平行に

突き出た目を守る「チェリーアイ・角膜のキズ」

続いては、フレブルのくりっとした目を守るお話です。
目は毎日のちょっとした観察で、変化に気づいてあげやすい場所です。

どんな病気?目が出ている構造との関係

フレンチブルドッグのくりっとした大きな目は、眼球が前に出ていて目のくぼみが浅いつくりをしています。
そのぶん、草や家具にぶつかったり自分でこすったりして、目に傷がつきやすい一面があります。
また、目頭の内側にある膜(瞬膜)の腺を留める組織が弱く、腺が赤く飛び出す「チェリーアイ」も起こりやすい犬種です。

こんなサインに気づいたら

目のサインは、見た目にわかりやすいのがうれしいところです。
涙や目やにが増える、まぶしそうに目を細める、しきりにまばたきをする。
目頭に赤いさくらんぼのような膨らみが見えたら、それがチェリーアイです。
白目の充血や黒目の白い濁りにも、毎日そっと目を見てあげると気づけます。

動物病院での治療

目の傷には、炎症を抑える点眼や、修復を助ける目薬で治療します。
チェリーアイは、飛び出した腺を切らずに元の位置へ戻して縫いとめる方法が今の主流です。
この腺は涙を作るとても大切な器官なので、残してあげられる治療が選ばれるのは、大きな安心材料のひとつです。

おうちでできる予防とケア

おうちでは、目のまわりの皺をやさしく清潔に保ってあげましょう。
目に赤みや傷、チェリーアイを見つけたら、自分でこすって悪化させないよう、エリザベスカラーで守ってあげると安心です。
日ごろから涙や目やにの量を見ておくと、小さな変化にも早く気づけます

見た目のサイン考えられること対応・受診の目安
目頭に赤い膨らみチェリーアイ(腺の飛び出し)こすらせないよう守り、早めに受診
目を細める・涙や目やにが多い目の傷、結膜炎、異物自己判断の目薬は避け、早めに相談
白目の充血・黒目の白い濁り重い角膜の傷などその日のうちに受診

皺と上手に付き合う「皮膚トラブル」

ここからは、毎日の暮らしや体質からくる病気です。
まずは、フレブルの深い皺と上手に付き合う、皮膚のお話から。

どんな病気?皮膚の弱さと皺のむれ

フレンチブルドッグのぷっくりした皺は愛嬌たっぷりですが、皮膚そのものはバリア機能がやや弱く、ハウスダストや花粉に反応しやすい体質を持っています。
さらに、皺や脇の下、内股などは通気が悪く蒸れやすいため、皮脂や汚れがたまって細菌やマラセチア(カビの一種)が増えやすい場所です。
アレルギーと蒸れ、この2つが重なって皮膚トラブルにつながりやすいのが特徴です。

こんなサインに気づいたら

気づきのサインは、かゆがる仕草にあらわれます。
同じ場所をしきりに舐めたり、後ろ足で掻いたり、床に顔をこすりつけたり。
進むと、皮膚の赤みや脱毛、ベタっとした体臭、フケの増加、皺の間の黒っぽい汚れなどが見られます。
「いつもより掻いているな」と感じたら、早めに気づいてあげたいタイミングです。

動物病院での治療

アレルギーの皮膚炎は、完全に治すよりも上手に付き合っていくのが今の考え方です。
かゆみをピンポイントで抑える飲み薬(アポキル)や、月1回の注射(サイトポイント)など、体にやさしい選択肢が増えています。
薬用シャンプーでの薬浴と組み合わせて、快適に過ごせる状態をキープしてあげましょう。

おうちでできる予防とケア

おうちケアでいちばん大切なのは、皺の間を清潔に保つことです。
ぬるま湯で湿らせたガーゼでやさしく汚れを拭き取り、そのあと乾いた布でしっかり乾かすのがポイント。
湿ったままだとカビが増える原因になるので、乾燥まで忘れずに。
保湿剤でバリアを助けたり、腸内環境を整える「腸活」も、健やかな皮膚を守る心強い味方です。

部位たまりやすい汚れケアの方法頻度
顔の皺涙、皮脂、食べかす湿らせたガーゼで拭き、乾いた布で乾かす毎日
脇・内股皮脂、汗、土ぼこりシャンプーで洗い、ふだんは清拭と乾燥週1〜2回
全身の皮膚フケ、過剰な皮脂保湿シャンプーで洗い、入浴後は保湿月1〜2回

立ち耳を清潔に保つ「外耳炎」

次は、フレブルのぴんと立ったお耳のお話です。
立ち耳でも油断せず、こまめなチェックで清潔を保ってあげましょう。

どんな病気?耳のつくりと体質

コウモリ耳は風通しがよさそうに見えますが、フレンチブルドッグは耳の穴が狭く、アレルギー体質や皮脂の多さもあって、外耳炎になりやすい犬種です。
一度なると慢性化して繰り返しやすいので、早めのケアで防いであげるのが安心です。
ふだんの耳の様子を知っておくと、ちょっとした変化にも気づきやすくなります。

こんなサインに気づいたら

気づきのサインは、耳まわりの仕草です。
頻繁に頭をブルブル振る、後ろ足で耳の付け根を掻く、頭を片側に傾ける。
耳垢が増える(黒っぽい、または黄白色)、耳から酸っぱいにおいがする、耳をさわると痛がる、といったときは早めに気づいてあげたいサインです。

動物病院での治療

繰り返しやすい外耳炎でも、治療の選択肢は広がっています。
病院では、耳の奥までやさしく洗浄し、原因(細菌かカビか)に合わせた点耳薬で治療します。
最近は、1回入れると1週間から1か月ほど効き続けるタイプの点耳薬もあり、毎日のお手入れの負担がぐっと軽くなる選択肢も増えています。

おうちでできる予防とケア

おうちケアの合言葉は「見える範囲だけ」。
綿棒を奥まで入れると耳垢を押し込んで傷つけてしまうので、使わないのが安心です。
週に1〜2回、イヤークリーナーを含ませたコットンで、指の届く範囲をやさしく拭いてあげましょう。
シャンプーや雨の日のあとは、耳の入り口の水分を拭き取ってしっかり乾かすと、カビの予防につながります。

チェック項目正常の目安気になるサイン
においほぼ無臭酸っぱい、カビのようなにおい
耳垢の色と量うすい黄色で少量黒っぽくドロドロ、黄白色の膿
反応さわっても気にしない頭を振る、掻きむしる、痛がる

夏に命を守る「熱中症」

後半でいちばんお伝えしたいのが、夏の熱中症です。
フレブルは暑さがとても苦手ですが、おうちの工夫でしっかり防いであげられます。

どんな病気?暑さに弱い理由

犬は人のように汗で体温を下げられず、ハァハァという呼吸(パンティング)で熱を逃がします。
ところがフレンチブルドッグは鼻が短く気道も狭いため、この熱を逃がす働きがとても苦手。
おまけに筋肉質で熱を作りやすい体つきなので、気温や湿度が上がると体に熱がこもりやすいのが特徴です。
だからこそ、暑さ対策の予防がなにより大切です。

こんなサインに気づいたら

初期のサインを知っておくと、いざというときにすぐ動けます。
激しく速い口呼吸、ダラダラと大量のよだれ、舌や歯ぐきが暗い赤や青紫っぽくなる。
落ち着きなくウロウロする、歩くときにふらつく、といった様子も見逃せません。
「いつもと違う」と感じたら、すぐに動いてあげたいサインです。

応急処置|氷はNG、常温の水と風で

もし熱中症を疑ったら、動物病院へ向かう前の応急処置が命を分けます。
まずは涼しい室内や日陰へ移し、常温(ぬるめ)の水を全身にかけて、扇風機やエアコンの風を当てて冷やします。
意識があれば常温の水を少しずつ飲ませ、冷やしながら大急ぎで動物病院へ運んであげましょう。
ここで氷や保冷剤で急に冷やすのは逆効果なので、次の注意点も必ず覚えておいてください。

おうちでできる予防とケア

おうちでの予防が、なによりの守りです。
夏はエアコンで室温25〜28℃・湿度60%以下をキープし、お散歩は早朝や日が落ちてからに。
車の中でのお留守番は、短時間でも命にかかわるので絶対に避けましょう。
保冷グッズも上手に使って、暑い季節も安心して過ごせるように整えてあげてください。

シーンリスクおうちでの対策
夏の散歩照り返しで体温が急上昇、肉球のやけど早朝や日没後に、ネッククーラーを活用
室内の留守番閉め切った部屋の温度・湿度上昇エアコンを24時間、25〜28℃・湿度60%以下
車内での待機数分で車内が高温になり命の危険季節を問わず、車内に置き去りにしない

やってはいけない応急処置も、あわせて覚えておくと安心です。

やってはいけない応急処置なぜダメか
氷や氷水で急に冷やす血管が縮んで熱が体内にこもり、逆効果に
濡れタオルで全身を覆う蒸発を妨げて熱が下がらない
意識がないのに水を飲ませる誤嚥(ごえん)で窒息の危険

フレンチブルドッグと長く暮らすための毎日の習慣

ここまで見てきた病気の知識を、毎日の暮らしのなかで活かすための3つの習慣をまとめました。
どれも特別なことではなく、「これならできそう」と思えるものばかりですよ。

撫でながら毎日の健康チェック

フレブルを撫でている時間は、ご家族にとっても愛犬にとっても幸せなひとときです。
その手のひらが、そのままいちばん身近な健康チェックへとつながります。

毎日なでるついでに、皺のあいだに赤みや湿り気がないか、耳のにおいはいつもどおりか、目に涙や充血が出ていないか、そっと確かめてみてください。
全身をゆっくり撫でたとき、ポツッとした「しこり」や皮膚の変化にも指先が気づいてくれます。
背中や腰をさわったときに痛がったり、ビクッと避ける仕草があったら、それも大切なサインです。

特別な道具はいりません。
毎日のスキンシップそのものが、小さな変化に気づく力を育ててくれます。

部位見る・触るポイント気になったら
顔の皺赤み、湿り気、においの変化ガーゼでやさしく拭き取り、乾かす
耳・目耳のにおいと汚れ、目の充血や涙の量こすらないよう守り、ひどければ受診
皮膚・被毛しこりや赤みがないか大きさが変わるなら早めに受診
背中・腰撫でたときに痛がる、ビクッと避ける激しい運動を控え、様子を見て受診

無理のない運動と体重管理

フレンチブルドッグにとって、激しい運動は呼吸や関節への負担が大きくなりがちです。
涼しい時間帯のゆったりしたお散歩や、鼻を使っておやつを探すノーズワーク、知育トイでの頭の体操など、呼吸にやさしい遊び方がぴったりです。

体重管理では、体重計の数字だけでなく、肋骨がうっすら触れて、上から見て腰に軽いくびれがある状態を目安にすると分かりやすいです。
お散歩のときは首輪よりハーネスを使い、首への圧迫を減らしてあげましょう。

毎日の遊び方と食事の量を少し意識するだけで、呼吸も関節もらくになり、元気に過ごせる時間がぐっと広がります。

運動の考え方具体的なポイント
適した運動涼しい時間帯のゆったり散歩、ノーズワーク、知育トイ
避けたい運動炎天下の散歩、激しいボール遊び、高い所からのジャンプ
体型チェックの目安肋骨がうっすら触れ、上から見て腰に軽いくびれがある状態

定期健診と早めの受診

言葉で伝えられない愛犬の変化に気づくには、「様子を見る」より「早めに相談する」が安心の近道です。

たとえば、皮膚や体にポツッとした「しこり」を見つけたとき。
大きさが変わったり、さわると赤くなったりする場合は、早めに診てもらうと安心です。
また、7歳を過ぎたころに突然のけいれんや、ぐるぐる同じ方向に回り続ける、急に怒りっぽくなる、といった神経のサインが見られたときも、ためらわず受診してあげましょう。

年に1〜2回の定期健診を習慣にしておくと、ふだんは見えない体の内側の変化にも早く気づけます。
「気になったらまず相談」の気持ちが、大切な家族を守るいちばんの習慣です。

気づいたサイン様子見でよい目安早めに相談したい目安
皮膚のしこり大きさが変わる、さわると赤くなる
行動・神経の異変一時的な軽い寝ぼけ程度けいれん、ぐるぐる回る、急な性格の変化
呼吸・いびき軽い睡眠時のいびき程度運動後に舌が紫、安静時でも荒い息づかい

まとめ|フレンチブルドッグと歩むあたたかい毎日

フレンチブルドッグは、短い鼻や深い皺、くりっとした目など、ほかの犬種にはないチャームポイントをたくさん持っています。
その愛らしさの裏側には、体のつくりに合ったケアが必要な一面もありますが、この記事を読んでくださったご家族は、もうそのポイントをしっかりつかんでいます。

皺や耳をやさしく拭いてあげること、体重や室温に気を配ること、撫でながら体の変化に気づいてあげること。
どれも毎日の暮らしの延長にある、小さな積み重ねばかりです。

「短命」という言葉に不安を感じていた気持ちが、「今日からこれをやってみよう」という前向きな一歩に変わっていたら、とてもうれしく思います。

フレンチブルドッグとの毎日は、笑ったり、甘えられたり、ときにはちょっと心配したり。
そのすべてが、かけがえのない家族の時間です。

気になることがあれば、いつでも気軽にペッツメイトへご相談ください
ご家族とフレブルの暮らしを、私たちもそばで応援しています。

ペットメイト お悩み相談室

ペットメイト お悩み相談室

ペットメイトのスタッフが動物たちに関する情報をお伝えしております。動物に関する知識やお悩み事を解決するためのNoteです。
分からないことは店頭で相談受け付けてます。